バイクや自転車にマウントするとスマホのカメラが壊れる?注意喚起と対策について

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スマホをバイクや自転車にマウントしてナビとして使っていませんか?
一度使うと便利すぎてそれ無しには戻れなくなりますが、バイク・自転車にマウントしているとカメラが壊れてしまう可能性があります。
この記事では注意喚起と併せて、バイクや自転車でスマホナビを利用するにはどうすればよいか?を解説します。

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スマホのカメラは壊れやすい

パーツとしてのカメラはかなり小さい

スマホは高性能なパーツを小さな筐体に詰め込んだ超精密機械です。


スマホのカメラは性能から考えるととても小型化されていますが、機械の常で、小型化に比例してとても壊れやすく繊細なパーツになっています。


外部からの衝撃に耐えられるように箱型の設計でスチールカバーで守られているものの、カメラは1眼あたり1cm×1cm程度とかなり小さく作られています。

2021年にAppleが公式に声明を出す

以前からバイク乗りの間で「スマホをバイクにマウントしていたらカメラが壊れる」というのはSNS含め有名でしたが、2021年にAppleは公式にユーザーに対して注意喚起を行いました。

特定の周波数範囲で振幅が大きい振動 (とりわけ、オートバイの高出力エンジンの振動) を iPhone が受け続けると、カメラシステムの性能が低下するおそれがあります。

オートバイの高出力エンジンなどの振動を受け続けると iPhone のカメラに影響することがある – Apple サポート (日本)

Appleに多数の報告が寄せられたからか、「設計上の不具合(Appleの技術力不足)ではなく、そういう使い方したら当然壊れるよ!カメラってそういうものだから!」という内容になっています。

「ユーザーはあらかじめその危険性を認識した上で使用するべき」という前提をAppleが発表した形です。

光学式手ブレ補正と電子式手ぶれ補正

スマホカメラに採用されている手ぶれ補正には光学式と電子式があります。

光学式は、カメラ内部のセンサーがブレを検知すると、レンズまたはセンサーが動いてブレを軽減し撮影する方式です。

機械的にブレ自体を無くすので画質が良くなる反面、カメラの機構が複雑になるため繊細で壊れやすく高価になります。

光学式補正のイメージ



電子式は内部のコンピュータによってブレた部分を加工・修正する方式です。

シャッターを切る間に複数の写真を記録し、ブレていない部分を抽出して合成することで一枚のブレがない写真を作ることができます。(詳細な処理方法はメーカーによって異なります)

ハードでなくソフトで補正処理を行うため、カメラ自体は壊れにくく安価ですが、画質は光学式に劣ります。

電子式補正のイメージ

光学式は高画質だが壊れやすく高価
電子式は画質は劣るが壊れにくく安価

これはスマホの機種にもそのまま反映されており、カメラ性能や価格が高い機種の多く(iPhoneやGalaxy・Xperiaハイエンドなど)は光学式が採用されており、低価格〜ミドルレンジのモデル(OPPO・Xiaomiなど)には電子式が採用されることが多くなります。

注意

ここでいう「壊れやすい/壊れにくい」は「光学式と電子式の両者を比較して」という意味で使っています。
電子式を採用しているモデルでもカメラ故障の例はありますので、電子式を採用しているモデルならカメラ自体が壊れにくいという意味ではありません。

なぜ振動がカメラに良くないのか

カメラ内部の補正レンズは正しい位置(光軸を合わせる位置)に動けるようになっているため、振動を受け続けると補正レンズの調整機構が壊れてしまいます。


補正レンズの調整機構が壊れると「ジジジジジ」と内部で何かが震えるような音がしてブレた画面が映し出されますが、これは狂った調整機構が正しい位置に補正レンズを動かそうとし続けるため起こります。

補正レンズの調整機構が壊れるとそこだけを修理することはできないのでカメラ自体の交換が必要です。
交換費用は機種によって異なりますが、性能が高いカメラほど高額になります。

バイクだけではなく自転車も危ない

Appleが「特定の周波数範囲で振幅が大きい振動(とりわけ、オートバイの高出力エンジンの振動)」と表現しているように、バイクは事例として代表的なものであって、バイクのみがこれに該当するわけではありません。

振動が繰り返し起こる場所ならば漏れなくカメラが壊れる危険性を孕んでいることになります。

つまりエンジンのない自転車であっても、地面からの振動が避けられない以上、同様の故障が想定できるということです。


ロードバイク乗りが「地面からの振動で手が痛くなる」という悩みを持つように、サスペンションのない自転車は地面からの細かい振動を常に受けています。

いわゆる「ママチャリ」と呼ばれるタイプの自転車も、普段は体がダンパーの役割を果たしており、乗車姿勢もロードバイクと比べて楽なため気づきにくいですが、同様に地面から細かい振動を受けています。


出力の大小に関わらず、細かい振動を連続して受けること自体が手ブレ補正の機構を狂わせることになるので、自転車にマウントすることはバイクにマウントすることと大きな差はないと考えた方が良いでしょう。

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対策

いくつか対策はありますが、結論は「中古のスマホ(=カメラが壊れても良い端末)を使う」です。

そもそもバイクにマウントする行為自体がスマホを壊すに等しい行為なので、壊したくないスマホをマウントしてはいけません。

2台持ちが面倒という方のためにその他の方法も一応紹介しておきます。

衝撃吸収マウントを取り付ける

Appleの発表以前から「バイクの振動でカメラ壊れるっぽい」と有名だったので、バイクパーツ・アクセサリーメーカーは衝撃吸収マウントなるものを発売しています。

独自開発の振動軽減ラバーによる3D振動軽減効果で、スマートフォンに加わる振動などを最大60%まで抑制。最新のスマートフォンに搭載される繊細なカメラなど電子機器へのダメージを軽減します。

ANTI VIBRATION MODULE SP-CONNECT | DAYTONA

モーターサイクルからの高周波振動の最大90%以上を低減、スマートフォンへのダメージを緩和。今まで以上に、安全にマウントします

衝撃吸収ダンパー モーターサイクル用 Quad Lock Japan クアッドロックジャパン


「○○%振動を抑制できる」「500名でテストして1台も故障なし」といかにも振動を抑えてくれる素敵パーツに見えます。


しかし、これらはカメラの故障を抑えることはできても、ある一点において、スマホ本体に致命的なダメージを与える危険性があります。


それは「剥き出しでマウントする」という点です。

「剥き出しでマウントする」とは
  • 直射日光、風雨、排ガスや土煙、砂埃だらけの環境にスマホを晒している
  • すっぽ抜けると時速〇〇kmの慣性がかかった状態でアスファルトへ真っ逆さま(後続車が避けるとは限らない)
  • 事故に遭うとスマホ自体が壊れてしまって連絡手段を失い、その後身動きが取れなくなる可能性が高い

ヘルメットを被らずにバイクに乗っている人を想像すると、剥き出しでスマホをマウントするという行為がどういったレベルのものなのか想像できると思います。

振動軽減に気を取られて肝心なところが抜け落ちている感じが、手段と目的が入れ替わってしまったバイク乗りっぽいアイテムかもしれません。
いや、そんなことはないな。


(ちなみにこの記事は手段と目的が入れ替わってしまったツーリング大好きバイク乗りが書いています)

ポーチ型のマウントにタオルを敷く

ポーチ型であればスマホを最低限守ることができます。
しかし、ポーチ型の衝撃吸収マウントはあまり流通しておらず、せいぜい取付部のゴムを厚くした程度のものです。

そこで、タオルを中に敷くことで、ダンパーの代わりに衝撃を吸収してくれます。


昔iPhone7を使用していた時にこの方法でマウントしていましたが、走行距離2万kmでも運良くカメラは壊れませんでした。

直射日光は避けられませんが、濡らしたタオルを固く絞って入れていたからか、熱暴走で落ちることもありませんでした。


一番意外だったのは分解した中身が綺麗だったこと。

スマホを過酷な環境で長く使うと、密閉するためのパッキンが劣化して内部に埃が侵入してしまい、基板のショートなど故障の原因になります。

しかし、約2年間使ったiPhone7の内部に異物の侵入はありませんでした。

とはいえ、これはあくまでたまたま運が良かった例なので、やはり壊れて困るものはマウントすべきではないです。
(私は壊れてもしょうがないという判断の元使用していました)

下の画像はとあるバイク乗りの方のiPhone8です。

剥き出しマウント(衝撃吸収なし)使用で、画面修理1回、バッテリー交換1回、カメラは壊れたまま放置(写真はインカメラか仲間からシェアしてもらっていたそう)という端末ですが、内部への埃の侵入っぷりが凄まじく、最終的に基板がショートして使えなくなってしまいました。

データのバックアップを忘れていたというおまけ付き

中古のスマホを使う

先述の通り、バイクや自転車にスマホをマウントしたい方へ究極の解決策、

壊したくないスマホはそもそもバイクにマウントしないという方法です。


ナビとしてだけなら使わなくなった端末や投げ売りされている端末も選択肢に入ります。ナビのためだけに使用するのでカメラが壊れてもお構いなし。

通信はメインスマホとテザリングするか格安SIMをナビ用に契約するかで解決しますが、
テザリングの場合は2台のバッテリー消耗が早いのでモバイルバッテリーが必須、
格安SIMの場合は月額通信料がかかる上に、通信品質・エリアが貧弱という可能性があるため、自分の行動範囲と照らし合わせて運用を考える必要があります。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

・スマホはバイクにマウントしてはいけない
・マウントするなら壊れても良い端末をポーチ型のケースでマウント
ということを解説しました。

スマホのナビ機能は他の手段に比べて圧倒的に便利すぎるので、それなしでの移動は代替案すら出てこない状態です。
それだけに使用する際はその危険性を前もって理解しておき、後悔のない選択をしましょう。

この記事が、あなたのスマホを守る手助けになれば幸いです。



ナビ用のスマホはもちろん、普段使いのスマホをキレイに使いたいという方はぜひご相談ください!

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