ahamo、LINEMO、povoはdocomo、Softbank、auとなにが違うの?プランと提供の背景を解説

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独立したブランドではなくメインブランド内の料金プラン

総務省の料金改善の要請を受けて、2020年12月にdocomoが他2社に先駆け、docomoの新料金プランとしてahamoのサービス提供を発表しました。

それを皮切りに、au、Softbankも追随し、2021年3月に大手3社が「20GB定額」というシンプルでわかりやすいプランのサービスを開始します。

今まで談合ともいえる横並びの高額料金を設定していた3社がこのようなプランを出さざるを得なくなったのは、総務省の圧力があったからでした。


時の首相は菅義偉氏。
かねてより携帯電話の料金について言及していた菅氏は、2020年9月に首相に就任すると、携帯電話料金について「4割程度は下げたい」と明言し、武田総務相は「(値下げは)100%やる」「できるできないではなくやるかやらないか」「(値下げが)1割程度だったら改革にならない」と大手3社へプランを値下げするよう要請。

UQモバイル、ワイモバイルというサブブランドを持つau、Softbankは、サブブランドの値下げプランを発表するも、武田総務相は「多くの利用者が契約しているメインブランドについては、まったく新しいプランは発表されていない。これが問題」と批判しました。

電波利用料の見直しまでチラつかせたプレッシャーを受け、3社はメインブランドで低額プランを出さざるを得なくなり、ahamo発表によって、携帯電話の料金プランは大幅に引き下げられることになったのです。

「値下げしたのはメインブランド」という形式を作らなければならなかった

ahamo発表時に「ahamoは元々サブブランドとして用意されていたのではないか」という憶測もありましたが、docomo社長はこれを否定します。

しかし、ahamoのマイページがdocomoとは別のドメインであることや、
docomoからのプラン変更にMNP手続きが必要だったこと(現在は不要)、
発表時の画像ではスマホ上のネットワーク表示がdocomoでなくahamoになっていたことなどから、
UQモバイルやワイモバイルと同様、メインブランドとは別のサブブランドとして提供しようとしていた痕跡が多く見られ、
「武田総務相のau・Softbank批判を受け、サブブランドからオンライン専用料金プランに変更したのではないか」という憶測は間違いとは言い難いものでした。

ahamoを発表したdocomoを菅首相・武田総務相は高く評価し、また一般消費者にも大きな話題となったこともあって、au、Softbankはdocomoと同じように、オンライン専用として値下げした定額プランを発表しました(Softbankは“Softbank提供の新ブランド”としています)。


こうした経緯から、ahamo、povo、LINEMOはまるでサブブランドのような、メインブランドのオンライン専用定額プランとして提供されるようになりました。

あまりの安さに、当然MVNOからの反発がありましたが、3社が出したプランは20GBという大容量定額プランであったため、小容量(〜10GB)が主戦場となっている格安SIM市場を脅かすものではないという見方もあり、武田総務相は「MVNOもそれなりの経営努力をしていただかなくてはならない」とコメントしました。

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回線品質はメインブランドと同じ

MVNOが提供する格安SIMは、MNOの回線を借りて消費者に提供していますが、
ahamo、povo、LINEMOはメインブランドと同じ回線を利用できます。

MNOが提供する電波にはプラチナバンドと呼ばれる周波数帯の電波があります。
プラチナバンドは700MHz~900MHzの周波数帯の電波のことを指し、建物や遮蔽物があっても電波自体が回り込んで端末に到達するため、屋内や地下でも繋がりやすく携帯電話に適しており、この周波数帯の電波の提供はMNOとして必須ともいえます。
2022年4月現在、MNOではdocomo、au、SoftBankの3社に割り当てられています。

ahamoはdocomoの、povoはauの、LINEMOはSoftbankのプラチナバンド含むメイン回線を利用できるので、回線品質は格安SIMよりかなり良いといえます。

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シンプルでわかりやすい料金

2022年4月時点で料金プランは下記のようになっています。

ahamopovoLINEMO
サービス開始2021年3月26日2021年3月23日
※現在のpovo2.0のプラン開始日は
2021年9月29日
2021年3月17日
※ミニプラン提供開始日は
2021年7月15日
利用料金/月
(税込)
20GB 2,970円基本料金0円
※一定期間内に
トッピング購入が必要

トッピング
1GB 390円(7日間)
3GB 990円(30日間)
20GB 2,700円(30日間)
60GB 6,490円(90日間)
150GB 12,980円(180日間)
20GB 2,728円
3GB 990円
通話料5分/回の通話かけ放題
5分超過〜22円/30秒
22円/30秒22円/30秒
データ量の追加購入550円/1GBトッピングで都度購入550円/1GB
通話オプション+1,100円/月で
通話かけ放題
+550円/月で
5分/回の通話かけ放題

+1,650円/月で
通話かけ放題
+550円/月で
5分/回の通話かけ放題

+1,650円/月で
通話かけ放題
サポートwebサイト
(FAQ、チャット)

docomoショップで
有償サポート可
(1回3,300円)
webサイト
(FAQ、チャット)
LINE
webサイト
(FAQ、チャット)
国際ローミング対応
※申し込み・追加料金不要
※通話はプラン対象外
未対応対応
※要申し込み、追加料金不要
(課金開始から5ヶ月目より申込可)
※通話はプラン対象外
eSIM対応対応対応
備考180日以上有料トッピングの
購入がなければ利用停止・契約解除の可能性がある
LINEでのトーク・通話はカウントフリー

2021年3月の開始当初は3社の出したプランに大きな差はなく、先んじて発表し、5分/回の無料通話があるahamoが契約者数で二、三歩リードしました。

現在は上記の表のように、povo、LINEMOが低容量をカバーするプランを提供しており、サービス面での差別化が図られてきています。

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オンライン受付のみ

原則として新規申込やMNP移転、サポートはオンラインのみとなります。

ahamoはdocomoショップでの手続き・サポートが可能ですが、3,300円の有償サポート費用が必要となります。

オンラインサポートはFAQまたはチャットでのサポートになりますので、電話サポートはありません。

ahamo、povo、LINEMOのいずれもdocomo、au、Softbankのwebページよりもわかりやすくシンプルに構成されていますので、メインブランドの複雑でわかりにくいイメージを持っている方は一度見てみると良いでしょう。

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Androidを使う場合は注意が必要

MNO各社には、バンド(周波数帯)という使用してよい周波数帯が、国(総務省)から振り分けられています。
スマホは機種ごとに受信できる周波数帯が異なるため、各キャリアの持つバンドに自分のスマホが対応しているか確認する必要があります。

iPhoneはどのキャリアの周波数帯にも対応できますが、「国内モデル」としてキャリア限定で発売されることがあるAndroidスマホは注意が必要です。

どの周波数帯に対応するかは基本的にメーカー判断で、特にそれを規制する法律も日本には無いため、「docomoには対応しているがauには対応していない」、「au、Softbankには対応しているがdocomoには対応していない」という機種がリリースされることがあります。

基本的にどのスマホも対応周波数帯は公表していますので、それぞれのキャリアの周波数帯と照らし合わせて、使用できるかを契約前に確認しておきましょう。

携帯電話端末が対応する周波数の現状について:総務省資料

これについては総務省も問題提起していますが、キャリア各社は「うちが制限かけてるんじゃなくてメーカーが対応周波数を選んでるから」と改善の見込みは薄い模様。

日本の携帯電話の歴史において、メーカーはキャリア契約時に販売を取り扱ってもらうため、どうしてもキャリアに対して弱い立場にありました。

キャリア側はそれをいいことに「うちで取り扱ってやるから」と、デザインを台無しにするキャリアのロゴを端末に入れさせ、
スマホ時代に突入してからも予めキャリア専用アプリをインストールさせておく始末でした。
(あくまで推測です)

Appleだけがそれを認めず、どうしてもiPhoneを売りたいキャリア側が折れたため、iPhoneには不要なロゴも、使わないのに容量やリソースを圧迫するだけのアプリもなく販売されています。



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潰しにかかられる楽天モバイル

低価格で殴り込みは孫さんもやってましたね

楽天モバイルは2020年4月から1年間通信料無料という破格のサービスを開始しました。

まずは契約者を増やし、無料期間終了後は「基本料金2,980円/月で楽天回線でのデータ通信使い放題」という他3社より安いプランで徐々に回収していくはずでしたが、同年9月に、かねてより携帯電話の料金について言及していた菅義偉氏が首相に就任したことで状況が一変してしまいます。

菅内閣による携帯料金値下げ要請の結果、2020年12月にdocomoがahamoを発表したことによって、楽天はプランの修正を余儀なくされました。

というのも、ahamoが出したプランは「docomoと同じ回線で20GBまで高速通信、通話5分無料で月額3,278円(サービス開始前に2,970円へ変更)」と、無料期間が終了した後の楽天の料金を意識し、かつサービス内容は明確な上位互換となるプランだったからです。

これを受けて楽天は2021年1月にRakuten UN-LIMIT VIを発表し、同年4月から「データ利用1GBまでは料金0円、それ以上は利用状況に応じた料金設定」というプランの提供を開始します。

楽天モバイル、新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表 | 楽天グループ株式会社

ahamoが発表された後、auとSoftbankも同様の定額プランを発表しました。

予想できたこととはいえ楽天にとっては踏んだり蹴ったり。

さらに、2021年9月にpovoが2,728円/月(20GB)の料金プランを一新し、基本料金0円のpovo2.0を発表したことによって、楽天モバイルの料金的なアドバンテージすら揺らぐことになってしまいました。

povo、基本料0円から始まるオールトッピング「povo2.0」を提供開始 | 2021年 | KDDI株式会社

もちろん楽天もただ黙ってはいません。

公正な競争ができるように、楽天モバイル含めたMNO4社でプラチナバンドを再配分するよう総務省へ繰り返し要望します。
当然他3社は反対していますが、楽天モバイルは2023年の導入を目標としており、今後の動向が注目されます。

そもそも楽天モバイルが新規参入していなければ、3社ともここまで低価格のプランを発表していなかったであろうことから、それだけでも楽天モバイルの存在が競争促進=消費者への利益となっています。

4千億円を超える赤字を出している楽天モバイルですが、契約者数は依然増え続けています。
今後の携帯電話通信業界のサービス向上の鍵は、楽天モバイルが握っているのかもしれません。

低価格で殴り込んだら(結果的に)3社から殴り返された楽天
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まとめ

いかがでしたでしょうか。

サービス開始から1年が経ちますが、まだまだ世間に浸透しきっていない3つのプランについて解説しました。

「格安SIMはなんだか不安」という方も、ahamo、povo、LINEMOは大手キャリアのプランということがわかって、乗り換えが選択肢に入ったのではないでしょうか。

多くの人にとって携帯代は簡単に節約できる出費ですので、「今の携帯代が高い」という方は検討してみてください!

スマホをさらにお得に、キレイに使いたい方はSAVERをどうぞ!

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